株式会社MASSIVE SAPPORO(マッシブサッポロ) 営業推進 工藤様
運営代行事業を始めたきっかけを教えてください
当社は元々、シェアハウスの立ち上げから始まった会社で、代表である川村は以前、東京の不動産ディベロッパーに勤めていました。不動産も数字に厳しい世界ですから、ある時上司に厳しい指摘を受け落ち込んでいた時、自身の住んでいたシェアハウスに帰ると、実は同じような悩みを抱える同年代の仲間がたくさんおり、一緒にお酒を飲んで語り合ったりすることでリフレッシュでき、翌日から仕事を頑張ることができたそうです。
そういった背景から、札幌に帰ってシェアハウス事業を立ち上げてこの素晴らしさを伝えたい!と思い、物件を1棟購入し株式会社MASSIVE SAPPOROを設立しました。
設立当時はTV番組のテラスハウスが人気だったことも後押して、シェアハウス事業はとてもセンセーショナルで話題性があったのですが、事業として利益が少ないという課題もありました。やはり会社を運営する上で利益は追求しなければならないもの。どうにかしなければと考えていた時、ちょうど札幌にAirbnbの物件が2室くらい掲載されはじめたのです。
たまたま弊社のシェアハウスが2部屋空いていたこともあり、ここで民泊を始めたら面白いんじゃないか?と2014年の終わり頃からAirbnbに掲載しました。するとゲストから予約がバンバン入り、これなら事業として光明がある!と感じました。
その後はAirbnbの認知度も上がり、徐々に民泊を始めるオーナー様が増えていきました。しかし管理を行える企業がなかったため、「管理をやってほしい」と依頼数が軒並み増加。それにより事業がV字カーブし会社が軌道に乗り始めました。
現在もシェアハウス事業はお陰様でご盛況頂いておりますが、弊社の事業の主軸は民泊の管理運営となっています。管理物件は現在180室程度あり、オーナー様は6~7割が道外の方、あとは海外在住の方です。セッティング準備中の物件を含め、年末までに200室に伸ばせられればと考えています。
御社の強みを教えてください
清掃は提携会社に協力して頂いていますが、他業務は外注を一切使わず全て自社で行っていることです。
同じオフィス内に営業担当、物件の修繕チーム、オペレーターがいるので、オーナー様・ゲスト様からの問い合わせやトラブル対応があっても、素早く対応することができます。また担当が休みでもすぐに応えられるような体制を作っているので、オーナー様にとって安心できる環境であると思っています。
事務所にいるオペレーターは4~5名ほど。その他フィリピンに自社のコールセンターを持っており、現地スタッフを20名程雇用しています。フィリピンは英語が公用語でほぼネイティブレベルであるため、ゲストへの案内対応もスムーズに行えます。
また北海道というのは11月~4月の半年間を雪に閉ざされます。そのため冬特有のトラブル対応が早急にできるかどうかがカギとなります。例えば水道管が凍結するとか、ストーブが故障するなどの対応ができるのは地元の管理会社ならでは。
そういった事情がわからず対応に時間がかかればクレームはもとより、ゲスト様からバッドレビューを頂きかねないため、なかなかマーケットに入りにくいのだと思います。バッドレビューはオーナー様の評価として残り続けますし、その後の予約に多大な影響を及ぼすため絶対に避けなくてはいけません。
他に弊社の特徴的な部分は、弊社のシェアハウスに住んでいた住人をそのまま社員登用するという採用方法ですね。
これには“人となり”が予めわかっていることで、公募に比べて採用リスクを低く抑えられる利点があります。やはり生活態度の良さと人間性は通ずる部分があるので、登用後の活躍ぶりは説明不要です。
「そんな採用方法があったんだね!」と色んな方から面白がられますね。さらに彼らは海外居住経験者が多いため、殆どの登用者が英語を話すことができます。弊社代表を始め他のスタッフも海外居住経験があるスタッフばかりです。
フランス人や中国人のスタッフも正社員として勤務しており、海外から積極的に外国人インターン生も招聘しています。そのインターン生が弊社を卒業し、一度母国に戻ってからサケのようにまた弊社に即戦力スタッフとして帰ってくる事も多々あります。
やはり外国のゲスト様が多い事から、ある程度の海外経験や国際感覚を持ち合わせていないと業務の理解度に大きく関わると思います。自分もコペンハーゲンに住んでいたので、その時の体験が大きく仕事に活きていると実感しています。
大切にしていること・心がけていることはありますか?
お陰様で毎日のように新規の申込み希望オーナー様からお問い合わせ頂いていますが、僕はファーストインプレッションを大切にしているので札幌市内の方でしたらまず直接会いに行きます。
やはり「この人は頼れるな」「任せても大丈夫だな」というのは、どうしても電話やメールだと伝わりにくいところがあるので、必ずオーナー様のところに伺って顔を見てお話するようにしています。
あとはとにかく毎日リスティングを見ることですね。どの物件にいつ・どの国のゲストが何名・何泊入ったとか。それにより今の時期は何月の予約が入り始めているなとか、どのくらいの価格帯での予約が好まれているのかなど、自分の中で独自感覚のマーケティングを溜め込んでいます。
ご自身のリスティングを毎日見ているオーナー様は全国に沢山いらっしゃるかとは思いますが、200件近いリスティングを毎日監視している方はなかなかいないのではないでしょうか。そのことから札幌市に点在する様々なエリア・間取りのリスティングの四季の動向を見ていますので、人間ビッグデータ・歩くAI状態です。
スポーツのように毎日カラダを動かさないと錆びついてしまうような感覚です。非常に大変な作業ですが、それをオーナー様にお話すると説得感が出ます。説得感というよりは苦労話に近いですね(笑)
そういった習慣づけは地味ではありますが最重要事項ですね。
仕事の面白さ・やりがいを教えてください
自分が担当したオーナー様のリスティングが無事にオープンされた時、最初のゲスト様が入った時はホッとした感覚と嬉しさがありますね。
結局売上を上げることが一番のお返しになりますので、マッシブさんに頼んだら収益が上がったとか、頼んで良かったと言われた時はやりがいを感じます。
他に印象に残っているエピソードとしては、あるオーナー様に「神対応」と言ってもらえたこと。
そのオーナー様は元々別の管理会社にお願いしていたようなのですが、対応にあまり満足できなかったとの事で、弊社にご相談頂き僕が担当にさせて頂いた際に「民泊事業が不慣れ中、すぐ来てくれて質問しても分かりやすく何度でも教えてくれた」と言ってもらえました。
確か夏の暑い時期にお問い合わせがあり、オフィスのスタッフから連絡が入って急いで電話しなければと思い、外回り中で時間がなく近くにあった公園で立ちながら長時間電話対応した記憶がありますね。
僕は常に全力でやっているだけなので、どの部分が神対応だったのかは分かりません。ただ常に相手が自分だったらどう印象を受けるか?を想定しながら応対しているので、そういった対応がオーナー様に喜んで頂けたのかと思います。
大変なことはありますか?
やはりワンフロアまるまる民泊ではない物件は隣近所に一般の方が住んでいるので、その調整は永遠のテーマですね。
今年のサッカーロシアW杯の時、朝方4時半くらいにベルギーVSブラジルという最高のカードをテレビで観ていたのですが、「洗濯置き場の天井から水がポタポタ落ちているから来て欲しい」と、管理している民泊部屋の階下に住む一般住人の方から電話があったんです。
その物件の設備関係に関して弊社は元々対応外だったのですが、住人の方からの呼出にはすぐに行くように札幌市から求められているので眠たい目をこすりながら急いで伺いました。早朝の4時半に他人のインターホンを鳴らすのは非常に気が引けましたが、勇気を出して2回鳴らしたものの住人の方は出ず。次に上階のゲストの部屋に行ったのですがこちらも出ませんでした。
結局そのまま出動した証拠の動画だけを撮り帰宅し、翌日に物件の設備会社さんが点検したところ、既に水は止まって乾いており修繕するレベルのものではないと。ベルギーVSブラジルの最高にいいところを見逃してまで行きましたが…、大きなトラブルにならず良かった!と今もいつでも準備しています。
こういった対応も行わなければならないのは、この仕事の辛いところ。ただこの話は他のオーナーさんに話すと、みなさん“面白エピソード”として笑ってくれるので、逆にいいネタを貰ったと今は前向きに捉えています。きちんとマッシブのスタッフが駆けつけていることも伝えられますしね。今回のインタビューでこのネタを公開してしまったので、別のネタを探さなくてはいけませんが(笑)
それに新しいトラブルに対応することで次にまた同じトラブルが起きた時、すぐに対応ができることになる。新しいトラブルは会社としてのスキルの蓄積にもなるので、今後のためだと思っています。もちろん問題が起こらないよう日々注意しており、それでも常に新種の問題が出てくるのがこの仕事の難しいところでもありますが、弊社には老舗ならではの圧倒的なトラブル対応の場数・解決方法を積み重ねていますので最小限に抑えられています。
今後の目標を教えてください
会社としては管理室数で札幌ナンバーワン、そして北海道ナンバーワンを目指しています。今札幌のAirbnbは約1200リスティングあるので、その40%にあたる500室は3~4年以内に達成したいですね。
民泊運営の他にホテル事業も展開しており、そちらにも注力しています。こちらのお申込みも盛況頂いておりまして30棟程の案件が進行中。そのホテルが12月末に1棟オープンします。
通常のホテルだと3人以上で泊まるのは難しいですが、東南アジアをはじめとする訪日外国人の方は、家族単位のグループで行動されることがほとんど。その点弊社のホテルは、8人~10人のグループが泊まれる無人型のオペレーションホテルのため、民泊事業で培ったスキルをそのまま活かすことができます。また旅館業を取得した場合365日運営ができることで収益性でも期待が持てます。
これから事業を始める方へメッセージ
僕が申し上げるのは大変恐縮ですが、まず何事も初めてみること。そしてどんなトラブルが起きても辞めないことが大切だと思います。途中で辞めると何も得られないまま民泊事業に悪いイメージを持って終わることになるので、必ずやると決めたら自分なりに最後までをやり切ってほしいです。
そのためにはなぜ自分が民泊事業を始めようと思ったか動機を自問自答・追求することが大切かと思います。
完全に儲け事業とするのか、ゲスト様に日本を楽しんでほしいという直接的なホスピタリティの気持ちなのかをハッキリさせないと、途中で迷って継続を自分で懐疑し始めると思います。あなたなりの特別なあなたしかできない民泊をしてほしいと思います。
あとは最低限の英語は習得しておく必要があると思います。翻訳アプリがあるから今から英語なんて不要という方はくれぐれもご注意を!ゲスト様は人間です。昨今の性能が上がった翻訳アプリもいいですが、どうしても細部の重要なニュアンスが伝わらないとトラブルやバッドレビューにも発展しかねませんし、面と向かってコミュニケーションを取る事に勝ることはありません。
また最後になりますが、札幌市の民泊管理代行・民泊型ホテル事業にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせ下さい。元気なスタッフが丁寧にご案内致します!
<株式会社MASSIVE SAPPORO(マッシブサッポロ)概要>
住所:〒062-0904 札幌市豊平区豊平4条3丁目3-2 さんぱちBLDⅡ 2F
代表:代表取締役 川村健治
電話:011-699-5105
関連情報