2018/09/18

沖縄の民泊プレイヤー事例 03:民泊清掃会社

取材協力:ビークリーン(ビーライン株式会社代表取締役 矢野様

民泊専門の清掃事業を始めたきっかけを教えてください

ちょうど民泊が流行りだした2年半くらい前に、知り合いから別荘を民泊にするので沖縄に行くなら清掃をやってほしいという話をもらいましてね。

私自身は元々福岡出身なのですが、趣味でスキューバダイビングをやっており、沖縄にはもう25年も通っています。そういう背景から、いつかは沖縄に移住したいという想いを持っていました。

また以前からシングルマザーが多いなどの問題があることを知っており、せっかく沖縄で仕事するなら、何か恩返しができないかなと思い、2016年に沖縄に来て清掃事業を始めました。

スタートから2年半が経ちますが、今では約250のお部屋清掃を任されるまでに成長しています。

御社の強みはどんなところですか?

現在250部屋を担当していますが、実は今まで一度も清掃を断ったことがありません。

沖縄は行事ごとを大事にする方が多いと思うのですが、例えばGWや盆正月で「今日はスタッフがいないので清掃できません」とか断ることはありません。

あとはエリアの広さ。最初は那覇だけでしたが、今では那覇市、南の糸満市、沖縄市、恩納村の4つに事務所と保管場所を構え、それぞれにマネージャー1名とスタッフ約20名が在籍し、短い移動距離で効率よく業務をしています。

加えて、恩納村ではシーツやリネンのリースもやるなど、最近ではエリアごとのサービスも増やしていますし、夜中に「お湯が出ません」とゲストから連絡があれば緊急対応をしたり。

そんなニーズに合わせたサービス展開が、今まで一度も営業をせずにご紹介だけで案件数を増やせた要因なのかなと。

現在何名のスタッフさんが在籍していますか?

スタッフの在籍数は現在60名ほど。シングルマザーだけでなく子育て中のママさんなど女性が中心で、週1日の方もいれば週6日の方もいらっしゃいます。

スタッフの中には背中に子どもをおんぶしたまま掃除して頑張っている方もいます。沖縄の女性は仕事熱心な方が多く、「12時間でも子どもを連れてできるなら」とスタッフがどんどん増えました。

沖縄は求人のフリーペーパーが多く、最初は地元の求人誌からコツコツと増やしていったのですが、今はスタッフの紹介が中心。今いるスタッフの半分ぐらいが「私もやりたい!」と言ってくださり働いてもらっています。

もちろん物件によって子ども連れNGもありますが、ほとんどの物件が協力していただけますね。

スタッフの教育体制について教えてください

入って最初の2週間ぐらいは先輩スタッフについて、業務を覚えてもらっています。

エリアごとに女性マネージャーを置いておりますので、そのマネージャーを中心に研修・教育を行っています。

実は当社では、オーナーさん毎にSNSでグループを組んでいまして、「今から掃除入りますよ」「△△に不備がありましたよ」「破損がありました」など清掃の際に全てリアルタイムで発信しているんです。

清掃が終わったときもSNSでご連絡し、ベッドの下からシーツ、排水溝などの写真を撮り報告するので、そういった一連の流れを覚えられるよう、小さい部屋から行ってもらっています。

また頑張っている人をきちんと評価したいので、13件以上行くと手当を支給しますし、エリアマネージャーになれば時給もUPします。

仕事の面白さややりがいをどんなところに感じますか?

正直、事業をスタートしてから予想以上のスピードで伸びたことは驚きました。

人が足りないとか、教育しなきゃいけないとかもちろん大変でしたけど、経営視点だとすごいことだったなと。

現場においては、たまにお部屋にチップが置いてあることがあるのですが、そういう時は、いつもしない換気扇の羽を外して掃除するなど、それに見合った動きをしてほしいと現場には言っています。

やっぱりお菓子が置いてあったり、レビューですごくきれいな部屋でしたと書いてあると、スタッフは間違いなくその部屋を好きになるじゃないですか。

時には「今日清掃した人は誰ですか?次もこの人にお願いしたい」のような指名が入るときもあるんです。こうした積み重ねがスタッフのモチベーションになっているのだと思います。

今後の目標について教えてください

厚生労働省の子育て支援で、沖縄に関すれば、シングルマザーと子育ての支援ということで色んな事業に登録をしています。

それにより人が集まりやすくなるだけじゃなく、週に1回講師さんがいらっしゃってパソコン学べたり、子育ての悩みを相談できたり。そういうのを各エリアの事務所で補助金を頂いてできればすごくいい事業になるのかなと思っています。

みんなが頑張ってくれるから清掃案件も増えますし、そうすればその人たちの収入も増える。そうしたら会社の利益も増えるという好循環を生みます。

清掃に関してはあまり利益追求型ではないのかもしれませんが、やはり事業の根底にシングルマザーと子育て支援というものがあるので、みんなが頑張れる環境は作っていきたいです。

また個人的には、今まで500近くの部屋を見てきたので、この物件はお客さんが入るな、こういうのが良いサービスだな、などが分かるようになってきました。そこで、それを集約させて自分の民泊を作れないかなと考えています。いろんな民泊のいいとこ取りですね(笑)

これから事業を始める方へメッセージ

沖縄で民泊すればすぐ儲かるっていうのは、ちょっと間違いではあります。

沖縄という土地柄、人とのつながりを大切にされる方が多いので、きちんとご自身で足を運ばれて、周りの方とのご縁を大切にすることが成功への第一歩だと思います。

「目の前にゴミがあったから拾っておいたよ」とか、「ウチのと一緒に草むしりしておいたよ」とか、「ゲストさんが部屋に入るときに悩んでいたから、看板つけた方が良いんじゃない?」とか。オーナーさんや運営会社が現地にいない場合って、やはりこういった地元の方のアドバイスや協力がないと難しいんですよ。

決して半年や1年も滞在しなきゃダメってことではありませんが、きちんと物件に足を運んでご近所さんに挨拶をする。そういった当たり前の部分を疎かにしないことが大切です。

もちろん挨拶のときは、スーツを着て行くのではなく、かりゆしウェアなどラフな格好でね。

<ビークリーン概要> 住所:沖縄県那覇市久茂地2-19-22 1F 代表取締役:矢野 浩作 電話:098-856-2108

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